ただ単に「見えた」だけでは「見えて分かる・識別する・判別できる」にはならない。無意識でも意識下にない対象は、それが何かが浮かばず瞬間的な回避行動は取れない。

 ここでいう無意識な行動は、事前の体験的学習(遊びトレイニング等)で身に付けた「とっさ」の本能的反射的反応行動を云う。

 例えば道路を歩いていて自転車が急によろけて接近したその時、「とっさ」に「危ない」とよける瞬間的反射的反応がそれだ。この反射行動は、幼児期(早くは幼・保園の年中さん)から体験(鬼ごっこ等の遊び)を通し、徐々に体得させ、小学校2年生段階で十分に身に付けさせることができるのが確認されている。私たちの実験では、幼いころは女の子の方が男の子より、その反射を身に付けるのが早かった。

 今の若者の多くは、こうした幼いころからの遊び体験学習がなされていない。危ない危ない。

(文責 清永奈穂   2023年7月20日)