知って安心!安全安心のための基礎知識講座
ここでは、知っていたら安心、試してみたらもっと実感できる「安全安心のための基礎知識」をご紹介していきます。
講演会やセミナーでも大人気のこの基礎講義、ぜひ纏めて読みたいというファンの皆様方のために、少しずつ連載していきます。
第一回講座は「山ガールのための安全・安心基礎知識」と題し、弊所山好き研究員が、山登りに行く前にぜひ読んでおいていただきたい防犯知識をまとめてみました。2回連載予定です。ぜひ、ご一読ください。
山ガールのための「安全・安心」心得 <Vol.1>
なぜ山に登るか。そこに山があるからだ、といったのはヒマラヤ初登頂を成し遂げたヒラリーでした。
ヒラリーのように高尚な言葉を呟かなくとも身近な山に登る多くの人の目的は、騒音が途絶え、空気が凛と張り詰めた山道を、苦しくとも自分の足で一歩ずつ踏みしめながら登頂して行く苦行と、それを乗り終え山頂に到達したときの達成感そして視界が一気に開け胸広がる爽快感を得ることにあるのではないでしょうか。
さらにもう一つ加えるなら現在では貴重となった「一人だけの時間と空間と思いに耽ることを得ること」「空っぽの自分になること」ができることも是非付け加えねばなりません。
悲しい現実
こうした山歩きにも、しかし、現実世界の俗臭が押し寄せてきています。
幼い子どもが白昼襲われる事件が日常化しているように、山でも「女性を被害者とする兇悪な性的問題の発生」が漏れ聞くようになってきています。
悲しいことです。山で擦れ違う誰にでも「お疲れさま」「頂上はどうでした?」と快い会話を交わすことが喜びであり、苦しさを乗り越える励ましでもありました。
男性と女性が狭い山道を擦れ違うだけでなく、声を交わすことにもタメライを持つようなことになったらとどれほど山登りの楽しみが損なわれてしまうことでしょう。
この問題は、山に関わる人、これから山道を辿りたいと思っている人、全員の問題です。
山に入る人は恥ずかしいことをする人、と見られたらどんなに悲しいことでしょう。
絶対に許せません。みんなで「許せない!」と叫びましょう。
世界の山仲間から笑われます。
<安全を保つための基礎知識>
箇条書きにしてみましょう。
①自分だけは安全だ、と思いこまないこと。
いまや犯罪の世界には「ここは絶対、大丈夫」という聖域はありません。山もそうです。今までも山でドロボウに遭った、という人に会いました。これからはそれ以上の注意が、特に女性には必要です。
②悲しいことですが、なるべく単独行(一人で行動)は避けること。
単独行が山登りの醍醐味であることは、皆さんと同様、登山を重ねてきた私も良く分かります。しかし時代がこういう注意を求めるようになったのです。
③最後は自分で自分を守るしかないのだ、ということを噛みしめておくこと。
原則は「自衛」です。困ったときはいつでも誰かが助けてくれるだろう、ということは山では通用しません。まず何が起きても自分の身は自分で守る努力を最大限せねばなりません。それが山に登る一つの意味でもあるのです。
④防犯ブザー、携帯電話、そして辛子スプレーまたは催涙スプレーは登山地図と同じように必携の常備品であること。
特に辛子スプレーまたは催涙スプレーは、小型で場所を取らずそして安価な物が購入でき山での最高の自衛手段はといえます。
1本購入しておけば、かなりの期間保持が効きます。購入は防犯グッズを手広く扱う店で可能です。
いざという時に極めて大きな防禦効果を持つという意味では、防犯ブザー以上の撃退効果があります。防犯ブザーは山小屋内では有効ですが、登山道では駆けつけてくれる人が少なく、撃退効果はほとんど期待できません。
ただテントなどで寝るとき、テントの入口などに幅広く、防犯ブザーに釣り糸(最終的には細くて強い紐なら何でもよい)をつけて張っておくと、不審者がその領域に入って足が引っかかりブザーが鳴る、等の簡単センサーとして使えます。もし使い方が分からない人は(株)ステップ総合研究所に相談して下さい)。
スタンガンもありますが、これは危険性が高く日常持ち馴れない人にはお勧めできません。
⑤本当に最後の最後の時、もし、可能であったなら、相手の●●●●を両手で持ち(不潔なところではありません。詳しくは女性のみ先ほどの研究所で聞いて下さい)、●の●●●●●●●●●して下さい。
これは、大の男性でも一瞬にして転倒し、気を失うほどの衝撃を確実に相手に与えます。たとえば●●する振りをして●●を●して相手の●●●●●●●を●●●すのです。
力のない握力の低い女性でも、何の武器も必要なく、この方法は一撃で相手を倒します。
ただしこれもスタンガンと同様あるいはそれ以上に非常に危険なので、最後の最後の手段です。普段絶対に用いないこと。(株)ステップ総合研究所ではあなたのお名前などを聞く場合があります。
<山小屋での安全を保つための基礎知識>
①どうしても雑魚寝になる場合は、壁の横、女性の横等に位置取りをすること。
②親しい人でも甘えすぎないこと。
女性であることを意識し甘えすぎることは禁物です。山では最終的には男性も女性もありません。これは自分には無理と思えばそこに踏みとどまるのも勇気です。
甘え過ぎの向こうには罰があります。
③我を忘れるほどの過度の飲酒は御法度。
登山も終わりになってきたら、あるいは親しくなった人との飲酒を入れてのパーテイも度を過ぎないこと。一時的な触れあいは、時として匿名であることの気安さから度を過ぎたお付き合いに発展します。適度であることが大切です。
④戸外に出るときは友人と。
夜間の空を見る、手洗いを使いに出る等の時は「一人」で出なく極力友人と行きましょう。
<続きは次回へ 2011.11.6 文責:㈱ステップ総合研究所調査部長清永奈穂>