清永賢二が2011年に「大泥棒」(東洋経済出版)の署名で著した本の中で、犯罪の天才として記述し、当時の警察関係者から「もう彼のような犯罪者は現れないだろう」た評された「猿(ましら)の義ッちゃん」から懐かしい葉書が届きました。

驚きと喜びがわき上がります。義っちやん、生きていたんだ。本当にありがとう。奧さんが亡くなってもう何年になるだろう。

あなたも、もう、85~6歳になるかしら。律儀な文章と一画一画しっかりした刑務所文字は昔と変わらないね。

あなたが教えてくれた犯罪者の精神と行動は、現在の犯罪者世界を理解するのに、まだまだ十分なものがあることは間違いありません。あなたと私の時間と健康が合えば、言葉を交わす心許せるⅠ日を持ちたいと思います。あなたが残してくれた膨大な書きものは、奈穂の研究所にちんまりと収められています。おーい義っちやん、健康と時間が欲しいね。

義っちやんが届けた葉書の内容を一部紹介すると以下の様です。

賢二さま●●さま。長らくご無沙汰いたして誠に申しわけありません。ご家族皆さま、お元気でお過ごしのことですかね・・・・。時々テレビで奈穂さんの懐かしいお姿を見ます。

今年も早十一月を迎えて、めっきり寒くなり、お体の方いかがでしょうか・・・・。本当に大変な日々をお過ごしのことと存じます。

・・・・・・・・・・・・(中略)。

私の方は、十一日、肝臓の検査を受け、先生は相変わらずですねと、このままの薬で行くしかないとの弁でした。・・・・・(中略)。

何くそと、日々を言い聞かせて日々を迎える毎日です。

どうかお体気をつけてください。帰らぬ昔が懐かしい。

(文責 清永賢二   2022/11/16)