関係機関というのは警察庁、文部省(当時)、NHK等報道関係です。

弥富市の中学校で起きた殺人事件を巡り様々な情報が飛び交っています。その中の一つに2004年6月に長崎県佐世保の小学校で生じた殺人事件が「ナイフと子どもと学校」の関係に警察や教育関係そしてマスメデイア等が注視した始まりのように取り上げる情報が数多くなされています。しかし佐世保事件の前に1996年1月に栃木県黒磯市で中学1年生(所謂よい子、普通の子、切れる子)による女性教諭刺殺事件を中心として起こった複数のナイフ使用事件に関係機関が注視したのが始まりです。

この時警察庁内に有識者委員会が設けられ、以下の対策が検討され、文部科学省(当時)等と協議され事件再発防止が進められました。

1 子どもが日常的に所持する特定形状のナイフ(特に「肥後の守」、下図参照)の形状変更/所持禁止

2 校内への持ち物(カバン、手提げ袋等)検査

3 生命尊重の規範意識教育の強化

 こうした歴史を踏まえないと今後の「ナイフと子どもと学校」対応検討が不充分なものになりかねないと危ぐします。少なくともこうした3つの方針の何処が有効に機能しなかったのか、あるいは何が足りなかったかを検討する必要があります。さもなくば再度の悲劇を子どもたちの間に見ることとなるでしょう。

 私自身は、その時、行われた複数調査のコンピュータ集計の補助作業をしました。実施した調査表がステップ総合研究所に残っています。

 

(文責 清永奈穂                    2021/11/30)