最下図を見てもらいたい

 図は名古屋市守山区の白沢学区に隣接し防犯モデル道路及びモデル道路を「通学路」中心に設定した西春日井郡師勝町(当時)の「防犯モデル道路」を中心とした昭和58~60年間の犯罪発生状況をまとめたメッシュ図だ。
 メッシュは1辺200メートル。
 この図及び前号のHPで示したグラフから以下のことが診える。

①犯罪の発生はコントロールできる(防犯モデル道路及びその200メートル端から動かすことはできる、つまり道路上だけでなく道路両脇直径400メートルの円もしくは楕円の地域犯罪をコントロールできる、他のモデル道路でも同様な効果を確認)

②しかし完璧に「ゼロ」にすることはできない(増加傾向を押し留める、勢いを抑える止めることはできる、だから愛知県警では「モデル」という言葉を使い、何かあった時に備えた)

③ただ「起こさせないところ」「起こさせたくないところ」では「起こさせない」ことはできる(防犯モデル道路上では、絶対ではないが絶対に近く起こさせない、そこは「聖域crime free」となり、その周辺で被害者化しそうな場合は聖域=防犯モデル道路に逃げ込めばよい、これは使える。単に「通学路」というのではなく「安全モデル通学路」を作ったらどうだ、文科省は「通学路はどこでも安全」という標語中心の立ち位置しかし実際には起こっている)に立っているから賛成しないだろうが)

④その「起こさせないところ」を抑えた時、その周辺で犯罪となり盛り上がる(つまり増加する、逆に言えば減った分だけ犯罪をそちらへ押しやる」ことはできる、見方によればモデル道路は加害者空間ともなる)

⑤減少させる犯罪は、子どもを狙った犯罪だけでなく若い女性をねらったストーカから周辺の一般住宅への侵入盗自転車盗等に及んだ。要するになんにでも効いたわけだ。

⑥最後にグラフに見るように、一つの犯罪防止策の賞味期限は「3年」でしかない(前回の図に見たように犯罪の減少傾向は3年で底を打つ,防犯カメラがなぜ犯罪量の減少に長期の効果を長期に持ったかは後に理屈がある。しかしカメラも賞味期限が来たか)

⑦つまり「犯罪は起こさせない」「起こさせたくない」と努力したところの努力は報われる、しかし努力しないところは報われない。これ鉄則。しかしその努力も3年しかもたないのだよ、ということだ

 この6つのことからさらに様々なことがらが浮かび出る。

(文責  清永奈穂 砂川優子 八手紘子 林成子   2019・09・12)