初めに中学時代という人生の最も楽しい時代の入り口で倒れた女子中学生に心から「残念だった、無念だったね」の言葉を捧げたいと思います。
被疑者の行動を報道各社の説明から読むと、店舗に入って並んでいた客の脇を通りぬけ、最後尾に並んでいた被害中学生2名に襲いかかり、被害者の身体深部に達する損傷を負わせ、その後、混乱する客の間を抜けて侵入口と同じドアから逃走、といった行動が浮かび上がる。
この特徴から見えることは、事件現場に立っていないので問題は残るが、①本件は無差別殺傷事件ではなく、②何らかの強い殺害の意思を持って、②被害中学生のみを狙った、④見覚えのない(見かけたことの無い)、⑤足元は長期距離を逃げるのには適さない備え(逆に車を運転する、あるいは近距離を徒歩で逃げるには適した)、⑤中年の男性による「ヒット&ラン型」の襲撃事件、ではないかということである。
こう読んだ時、おそらく襲撃者犯人は、徒歩あるいは自動車に乗り、中学生らが店舗に入るまで後をつけ、同時に店舗内の状況を確認(あるいは確認する必要もないほど前からこの店舗の前に立っていた可能性がある)、そして被害者らが並ぶお客の最後部に立ったのを確認し、他のお客・店員の行動・視線を気にすることなく、強い殺意を持って凶器を握り、気にすることなく一直線に被害者二人のみに襲いかかったのではないか(場合により被害者に何らかの被害者化の理由があろうとなかろう)と推察される。
この推察から窺えることは、「ヒット&ラン型」の犯罪者であろうと、その犯罪者行動は、従来から意識された行動とは大幅に変わったということである。そういう意味で最近の犯罪者行動全体が変化してきていることも言える。
勿論、被疑者が逮捕されていない段階での以上の推察から、「怨恨型」「無差別型」「通り魔型」「劇場型」等の犯行の可能性も残されている。
(文責 清永賢二 清永奈穂 2024年12月18日)