子どもの安全研究活動 ~犯罪及び地震からの子どもの安全~
弊所は犯罪及び地震からの子どもの安全研究を2000年より行っています
「怪しい人の見分け方」©清永賢二 2010 禁転載
弊所は 犯罪及び地震からの子どもの安全研究を行っています。
<子どもの安全研究内容>
1、子どもの犯罪危機遭遇体験調査(統計調査)
2、子どもの犯罪被害事件現場検証(事件現場からみる犯罪原因分析および防止研究)
3、地震被災地における地震遭遇体験調査
4、諸外国における安全教育実態調査研究
5、子どもを狙う犯罪者の行動生態学研究
6、子どもの安全教育カリキュラムづくり(日本女子大学と共同)
7、子どもの安全教育教材作り(研究結果からの実践的取り組み)
8、子どもの安全教育グループACEによる体験型安全教室の実施
<子どもの安全教育に取り組む姿勢>
1、私たちは、科学的かつ子どもの発達に沿った安全教育研究;カリキュラムづくり・教材作りを心掛けています。
まず、子どもの安全は0歳から始まると考えています。そこで、0歳からカリキュラムを作り、
発達に沿った 安全教育を考えています。
また、そのために子どもたちの実態調査(犯罪遭遇体験と、危機回避行動の実態)
といったデータを調査し、研究しています。
地震の場合、被災地に赴き、地震直後子どもたちはどうしたか、またその後の子どもたちの暮らしを、子どもに寄り添い ながら調査します。その中で、本当に大切な防災教育は何か、考えています。
2、科学的根拠をもとに研究を行います。
例えば「危ない人を見たら逃げなさい」というのは典型的な言葉ですが、これは科学的根拠のない言葉です。
私達は、「危ない人はどんな人か」という定義をしっかりなされなければならないと思っています。
人はそれぞれ違いがあります。「違い」というのは、考えてみれば私どもの言葉で個性といいます。
違いがあるというのは人間であることの前提です。人と人とはそれぞれ違うし、たがいに見るとちょっと「変」なものです。
だから「変な人がいるから逃げろ」というのは「だれを見ても逃げろ」という話になってしまいます。
そういう子供が大きくなって日本の社会をつくっていく時に、どういう社会が出来上がってしまうのか。
このような根本的な疑問があり、私たちは、子どもの安全研究に取り組むにあたって、
変な人とはどんな人か、どのくらい逃げなければいけないのか、科学的に研究しています。
現代社会というのは、情報化のなかで、大人も子供も「常に不安に怯えている」
「怯えさせられている」不幸な時代です。
「声かけは大切だ」と言いながら、一方で声をかけた者に対して、ある意味の不信感のようなものが挙げられます。
そうではなく、どういうところに本当は気を付けなければならないのか、様々な調査と研究から考えていきます。
3、犯罪者の行動生態分析
私達は、犯罪者がどのくらいの位置から子どもを狙っていくのか、
子どもを狙う犯罪者はどのような子どもを狙うのか、
犯罪者が好む町はどんな町か、等の犯罪者の行動生態を調査研究しています。
服役中の犯罪者調査および、服役し、防犯のためにと協力してくれる元犯罪者とともに、
犯罪者の行動生態を研究し、犯罪者から見た、確かな防犯の方法を研究、実践しています。
4.たとえば、不審者を見分けるには
不審者とは、私達は3段階あると調査から導き出しました。「変な人」「怪しい人」「危ない人」です。
第一段階の「変な人」とは、その場、その時、その人に似合わない。それが「変な人」の基本です。
この「変な人」を基調に、さらにあなたや周囲に対して、視線を動かさず(物色するかのように)じっと見る、
チラチラ見る動きをする。そういう人は変な人からさらに進んで「怪しい人」になる。
さらに、この怪しい人がさらに進んで「あなた!」と自分を目指して近づいてくる。
こうなると、この人は「危ない人」になる。手に凶器を持っている、いかにも何かをしそうに見る、
これらも「危ない人」です。
この「危ない人」を前にしたとき、ともかく一生懸命逃げなければなりません。
そうでない、第1段階の「変な人」の段階では、一寸注意すればよいので、逃げる必要はないのです。
5、子供に体感させたい4m・6m・20mの距離感 ~行動は空間によってきまる~
犯罪者が子どもを狙うという時、最初からやる気満々に遠くから狙いを定めて走っていくというものではありません。
ぐるぐると町を下見し、「逃げやすい」か、「近づきやすい」か、そして「やりやすい」かを考慮しながら、
獲物に近付いていきます。
15年前に弊所特別顧問清永賢二が行った調査で、
どんな犯罪者(子どもを狙う犯罪者でも、路上強盗でも、侵入盗でも)
基本的には変わらない、彼らは非常に合理的である、ということがわかりました。
例えば犯罪者がどの位の距離から犯行意志を固めるかの問題があります。
「被害者=子供」と全く面識関係のない加害者が襲いかかる状況を想定してみましょう。
その時、加害者の多くは、ターゲットの距離から500mのところからスタートします。
犯罪というのは情報産業であり隙間産業なんです。この隙間のことを「死角」というのです。
死角には、場所の死角、時間の死角、心の死角、人の死角があります。
まずは500mの地点でこの隙間=死角の多い子供を探す。
そして、だんだんと周囲の状態を気にするようになります。「見咎められないだろうか」と犯罪者は確認します。
そしてさらに、周囲に自分を「見咎める人」がおらない状況があると、いよいよ行動を開始するのですが、
この段階での距離は、被害者の=子供の手前20mほどです。
どんな種類の犯罪者でもいかにうまく遂行し、うまく逃げていくかに関しての論理は一緒なのです。
泥棒であっても、性犯罪であっても、粗暴犯であっても、行動は空間によって決まります。
例えば心(犯罪者心理)も空間によって変化して行きます。
獲物=子供に飛びかかる行動を起こす準備にかかる距離は、被害者の=子供の手前20mほどです。
もし周囲にだれかがいて自分のことを注視し、見咎められそうであると判断した時には中止します。
しかしそうでないときは、6m手前から一気に飛びついて行きます。
しかし犯罪者は、子供が20m先へ逃げてしまうと完全に諦めてしまいます。
つまり、20m逃げ切れる力を子供に付けさせなければなりません。
ですから、大人と競争して20m逃げ切る力がない限り、
逃げ切れない部分は周囲の大人がカバーしてあげなければいけません。
幼い子供ほど20mは逃げ切れない。「小さな子供から親は目を離してはいけない」というのは、ここからきているのです。
では、子ども達は、何メートル手前から走りださねばならないでしょうか。
私達の調査結果では、子供の6m手前から大人が追いかけたところ、1~3年生までの子供がランドセルを背負って逃げた 時に逃げ切ることができました。
ランドセルがなかった場合、子供の4m手前から大人がスタートしても、20mを逃げ切りました。
1~3年生で男女とも同じ結果です。逆にいえば、何も持っていない場合、4m前から走らないと低学年の子供は逃げ切れ ません。ランドセルを持っていれば6m手前で走り始めないと追いつかれてしまのです。
(実験結果は「防犯先生の安全基礎体力づくりDVD」でみることができます)
また、もし走って逃げきれないと思った時、「ランドセルを捨てなさい」
そういうトレーニングも必要になります。捨てて逃げることも重要なのです。
荷物は行動を非常に制約します。
大きな子供や大人であれば、荷物を相手の顔をめがけて投げつけて逃げることも必要です。
人間というのは、顔をめがけて飛んできた物に対して瞬間的によけるんです。
その0コンマ1秒というのが逃げる場合にはとても大切なのです。
これは事前に練習をしておかないとスムーズにはできません。だから教育訓練が必要なのです。
この距離間をつけむことや、引き返す方法、実際にかばんを持って逃げる方法等、研究に基づいた方法で
防犯教室(体験型安全教室)を開いています。
6、海外の安全教育を調査・研究しています。
アメリカとイギリスでの安全教育を現地調査し、その先進的な取り組みを研究しています。
安全教育にかかわらず、各国の非行問題、非行を犯した少年たちの更生に関しても資料を収集しています。
これらの資料から、諸外国が、安全、危機、非行、犯罪といった問題を通して、
子ども達をどうやって大人にしようとしているのか、具体的に大人にする教育を各国がどのように行っているか
研究しております。